花をのみまつらん人に山里の

~~~花をのみまつらん人に山里の

雪間の草の春をみせばや~~~     (藤原家隆)

(桜の花が咲かないので春が来ないと待ちわびている人に、
山里に積もった雪の間にわずかに芽吹いた若草の春を見せたいものです)

 

「南方録」に利休の侘び茶の精神を示す歌と

伝えられています。

華やかに桜の咲く春を誰もが

心待ちにするけれど

まだ寒く一面の銀世界の中

人知れず芽吹いている草の生命力

やがて雪の解けるのを

ひたすらに耐え待つ姿に心があるという。

 

間もなく立春です。

節分は季節の分かれ目ですが、まだまだ2月は厳寒、冷たい日が続きます。

日々の喧騒から離れた茶室では、広口の大きな釜から立ち上がる湯気の暖かさと

一服のお茶に心が和みます。

毎年繰り返される四季の移ろいとともに繰り返されるお茶のお稽古

季節のお花やお菓子、お道具に心を寄せながら

今年もお稽古に励みましょう。