~~~君待つとわが恋をれば わが屋戸の
簾動かし秋の風吹く~~~ (万葉集)
(あなたを待って恋しく思っていると、私の家の戸口の簾を動かして秋の風が吹いて来ます)
飛鳥時代の女流歌人「額田王」が秋の夜長に天智天皇の訪れを待ちわび
微かな簾の動きに心をときめかすが
それは秋の風のいたずらとわかり嘆く・・・切ない恋心を詠んだ歌です。
どうして悲しい気分になるのでしょうね。
うんざりしていた猛暑も少しずつ気温が下がり
朝夕が過ごしやすくなるといよいよ秋の訪れです。
賑やかな蝉の声も聞こえなくなり
トウカエデの葉は早や赤く染まり始めました。
夏が終わった事に何となく喪失感を感じ、猛暑の影響で体調の不調を感じ精神的にも弱って
不安感が生まれ、結果寂しいとなるそうです。
秋が来るともの悲しくなる感情は古人の頃から変わらない誰もが感じる物思いのようです。
それでも秋には秋の楽しみがあります。
収穫の秋、味覚の秋を楽しみましょう。