~~~うばたまの夜の錦を龍田姫
たれみやま木と一人そめけむ~~~ (熊野懐紙)
(誰も見る人もいない深山に龍田姫は
自分一人のために木を染めるのだろうか)
後鳥羽上皇は28回の熊野御幸の際、その途上所々の王子社において
神仏への法楽供養と旅情の慰めのために歌会を催されました。
歌会に参加した人々の
自詠自筆の和歌懐紙が
「熊野懐紙」です。
いにしえより、
はるか遠くの聖地
本宮・新宮・那智の
「熊野三山」
神仏への
信仰が高まり
修行とも言える厳しい
道のりを上皇から庶民にいたるまで
「蟻の熊野詣」と例えられるほど
多くの人々が切れ目なく参詣されたと伝えられています。