水無月の 夏越の祓する人は

〜〜〜水無月の夏越の祓する人は

千年の命 延ぶというなり〜〜〜    (拾遺集)

(水無月の夏越しの祓いをす人は、寿命が千年伸びるといわれている)

 

爽やかな風薫る5月、真夏のような晴天が続き

田には水が満々に張られ、ほととぎすの一声が響きわたり

木々は更に緑を増して、早苗は日毎に成長し

いよいよ蒸し暑い季節の始まりです。

 

水無月になると半年の穢れや不吉から逃れ

無事に日々を送れるよう

和歌や蘇民将来を唱えながら茅の輪をくぐり

無病息災を祈り夏越しの祓いをいたします。

備後風土記によると素盞嗚尊が南海への旅の途中

蘇民将来と巨旦将来と言う二人のいる地に立ち寄り

一晩泊めてくれるように頼みました。

弟の巨旦はとても裕福でしたがすぐに断りました。

兄の蘇民は貧しかったのですが親切に泊めてもてなした。

素盞嗚尊は喜びお礼に、今後蘇民将来の子孫であると言い

茅の輪を束ねて作った輪を腰に着けていれば

疫病を免れると告げた。

はたして皆んな死んでしまったがその教えの通りにした

蘇民将来の娘は助かり子々孫々まで繁栄したということです。