春過ぎて夏来にけらし白たへの 

~~~春過ぎて夏来にけらし白たへの

衣干すてふ天の香久山~~~      (古今集)

(いつの間にか春が過ぎて夏が来たようで天の香久山には真っ白な衣が干してあるよ)

 

 

いつの間にか春が過ぎて爽やかな五月晴れに
すがすがしさを感じたのも束の間いよいよ
梅雨入りです。

旧暦五月は今の六月なので、
五月雨は梅雨の事で五月晴れは
梅雨の晴れ間の事だそうです。

梅雨空の不安定な時にも
花々の移ろいを楽しみたいですね。
雨に打たれて映える色鮮やかな紫陽花は目を引きますが、
歳を重ねてくると木陰で楚々と咲く山紫陽花や紅額紫陽花の美しさに惹かれます。

かつて雨上がりに恩師と木の間に清楚な笹百合を見つけたのが懐かしく思い出されます。
甘く漂う香りと凜と咲くその姿は格別の美しさがありますね。

山間の永沢寺では花菖蒲が雨に誘われて見ごろをむかえます。
色とりどりの花菖蒲を愛でながらの一服はいかがでしょうか。