五月待つ花橘の香をかげば

~~~五月待つ花橘の香をかげば

昔の人の袖の香ぞする~~~       (古今集)

(五月を待って咲く花橘の香りをかぐと、昔親しくしていた人の香りがするよ)

 

昨年の春、ふとしたきっかけで「大和橘」に出会いました。

 

茶会の香煎にと橘の葉を探していたところ

「なら橘プロジェクト」の方が

快く送って下さいました。

橘の葉と一緒に橘の可愛らしい実も

入れて下さいました。

「種を蒔くと芽がでますよ」と。

発芽を信じて土に蒔いてみました。

 

しばらくして奇跡的に発芽しました。

厳寒を乗り越え緑の葉は元気に育ちました。

 

「非時香香(ときじくのかぐのこのみ)」と言われる橘は

万葉集には約68首も詠まれ

橘の芳香、寒さを乗り越える常緑の力、

種子が多いことから子宝に恵まれる、

不老長寿の薬効として、

いにしえより特に女性に愛されたそうです。

(よみがえれ大和橘より)

 

そんな葉も花も実も魅力ある大和橘に私も心惹かれました。

今頃奈良では可憐な白い花が芳香を漂わせて

ひっそりと咲いていることでしょうね。