天の川 霧立ちわたり彦星の

~~~天の川 霧立ちわたり 彦星の

楫の音聞こゆ 夜は更けゆけば~~~      (万葉集)

(天の川に霧が立ち渡って 夜が更けて行くと 彦星が漕ぐ楫の音が聞こえて来るよ)

 

万葉の古人は、天の川を渡る織姫と彦星の逢瀬に自身の願いを込めて和歌をしたためていたのですね。

楫を漕ぐ彦星は、夜更けには恋しい織姫の元にたどり着いた事でしょう。

彦星の漕ぐ楫が「梶の葉」を連想させます。

七夕の祭壇には願い事を記した梶の葉を供えます。

王朝の貴族たちは、祭壇に織姫と彦星に捧げものをして

和歌や雅楽を手向けて夜が明けるまで宴を催したそうです。

 

今では子供達が色とりどりの短冊に願い事を書いて

笹の葉に飾っています。

歳を重ねると慌ただしい日常に、ふと笹飾りを見て七夕を思い出す方もいらっしゃることでしょう。

星に願いを・・・。

五節句の大切な行事に七夕伝説の美しい和歌にも触れてみたいと思います。