~~~今はとてわが身時雨に ふりぬれば
言の葉さへに移ろひにけり~~~ (古今集)
(今となってはわが身も時雨にあった木の葉のように変わり果ててしまったよ)
立冬を迎え、三田は朝夕の気温が下がり
鮮やかな紅葉は盛りを過ぎ
冷たい風に落ち葉が舞っています。
青葉の頃から眺めていた鈴懸(すずかけ)の木に
可愛らしい木の実がたくさんぶら下がっていました。
鈴懸の名前の由来は、ぶら下がっている丸い実の姿が
山伏(山で修行をする人)が着る法衣の
篠懸(すずかけ)に似ているからだそうです。
大きな木に小さな実がたくさんぶら下がって
まるで可愛らしい鈴が掛けられたようで
寒風にすっかり葉を落とした姿が待ち遠しく楽しみです。
炉を開いた茶室では、赤々と燃える炭に香しい練香
大きな釜から上がる湯気に
熱い抹茶はご馳走です。
炉を囲んでの和やかなひと時は日常の慌ただしさを
忘れさせてくれる至福の時間です。